2026年4月3日、大槻特任助教らによるグリーンランドに生息するアザラシの餌生物と採餌場所に関する成果が、国立極地研究所・京都大学・北海道大学から合同プレスリリースされました。
北極域の氷河前縁は “ご馳走スポット”—アザラシの胃内容物が示す初の直接証拠—
国立極地研究所の小川萌日香特任助教を中心とする研究チームは、北極域で狩猟生活を営むイヌイットとの協働により、狩猟で得られたワモンアザラシの胃内容物を調べ、捕獲場所と食性の関係を解析しました。その結果、氷河前縁付近で捕獲されたアザラシは、沖合で捕獲された個体よりも多くの餌を食べていたことが明らかになりました(図 1)。これは、アザラシたちが氷河前縁で集中的に採餌していることを示す初めての直接証拠です。さらに、氷河前縁では主にホッキョクダラ、沖合では動物プランクトンを食べていることも明らかとなり、場所による採餌対象種の違いが初めて示されました。本研究は、気候変動による氷河の後退が海棲哺乳類の重要な採餌場や海洋生態系に影響を及ぼす可能性を示唆しています。
本研究成果は、2026年2月18日(水)公開のCommunications Earth & Environment誌にオンライン掲載されました。
論文名:Tidewater glacier fronts are an important foraging ground for an Arctic marine predator
(海に接する氷河前縁は北極海の捕食者にとって重要な採餌場所)
著者:Monica Ogawa, Teunis Jansen, Aqqalu Rosing-Asvid, Sascha Schiøtt, Caroline Bouchard, Evgeny A. Podolskiy, Søren L. Post, Yuta Sakuragi, Mayuko Otsuki, Shin Sugiyama & Yoko Mitani
DOI:10.1038/s43247-025-03174-4
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